天然美

黒のキューピット





あれから二週間たった




美鈴が教室を急に飛び出した翌日から
大樹は美鈴に避けられている


最初は話かけてもムシされる程度だったのだが
日に日に
大樹を避けるように休み時間や昼休みになると
教室にいることが少なくなっていき



最近では
教室にいるのは授業中のみになっていた





大樹は美鈴がいなくなると校内を走り回り美鈴を探すようになった





―――――…‥
―――





探し疲れて中庭にある木陰のベンチに寝転がる




今日も見つけられなかった



美鈴のお気に入りの図書室・第二音楽室・書道室・園芸部の温室



他にも美鈴の好きそうな場所は行きつくした


ハァー

「どこにいるんだよ…」







大樹が瞳をとじてしばらくベンチでしばらく寝転がっていると

『あっ』という女の子の声が
かすかに校舎の脇の茂みのどこかから聞こえてきた








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