イジワルな初恋

冬休みも終わり、いよいよ中矢君の私立入試合格発表の日を迎えた。

土曜日で学校は休みだったけど、私はなんだか落ち着かなくて早起きをしてしまった。


【帰ってきたら連絡してね。】

【分かった。行ってくるよ!】

きっと大丈夫。自分の夢のために塾と図書館の往復で、遊ぶのも我慢してがんばったんだから。


その日は朝からずっと落ち着かなかった。

午前中が過ぎ、家でご飯を少しだけ食べた私はすぐにまた自分の部屋に戻って携帯を握りしめる。

電波はあるのに、何度も新着メールの問合せボタンを押してしまう。


遅い……いくらなんでも連絡が遅すぎる。

不安だったけど、山野井君も一緒に発表を見に行ってるし、そのままご飯でも食べてるのかもしれない。

だけど、ただ時間だけが過ぎていく中で、私の不安はどんどん増していった。


万が一ダメだったとしたら……、ひとりで落ち込んでたら……。

私が助けてあげたい!そう思った瞬間、メールが届いた。

震える手でメールを開く。


【今帰ってきて坂の上にいるんだけど、来れる?】


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