失恋シンデレラ
瑞穂は水泳部のマドンナと言って良い。

先輩たちから聞いた話だけれど、瑞穂が一年生で水泳部に見学をしに来たとき、マネージャー希望だと思ったらしい。

瑞穂の見た目はいかにもスポーツが苦手な文化系か、マネージャータイプの可愛い女の子だった。

しかし中学生の頃はテニス部だったらしく、見た目とは裏腹にバリバリのスポーツ少女だったらしい。

初めて瑞穂を見たとき、水泳をやりそうなタイプじゃないなと、とても印象に残ったのを覚えている。
先輩からも同級生からも注目の的で、目立っていた。

初めて声をかけてきたのは、瑞穂のほうからだった。

『すごく背高いね!羨ましいな~』

それが瑞穂の第一声だった。

『それくらいの身長のほうが可愛いよ』

遺伝なのか私の家族はみんな背が高い。
すでに170センチまで伸びた身長は止まることを知らず、未だにミリ単位で伸びていた。

それに対し瑞穂は女子の平均身長よりも少し低く、155センチだと言っていた。

『私、高山(たかやま)瑞穂って言うの!よろしくね』

『梶原葉月です。こちらこそよろしく!』

お互い気が合いそうだと確信したようで、それから仲良くなるのには時間がかからなかった。
今では誰よりも心が許せる関係になっていた。

でもいま瑞穂が中森を好きだと言った時、私は何て思ったと思う?

"知りたくなかった"

そう思った。
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