失恋シンデレラ
夏休みの補講1日目。
毎年夏休みには10日間補講があり、お昼まで授業がある日がある。

私は今日の補講が終わり、自分の席に屈伏して窓のほうを見ていた。

「はーづき、何ぼーっとしてんの」

美姫が紙パックの紅茶をストローで飲みながら、私の背中をつんつんとつついてきた。

「部活行かないのー?」

私はその質問に少し間をあけてから、

「今日はやすみー」

とそのままの体勢で答える。

「何かあったの」

美姫は私のひとつ前の席に後ろ向きで座る。

「別に~」

私はそのままの体勢で返事をした。
私の返事から少し間があいてから、美姫は再び話しかけてきた。

「葉月わかりやすいから、何かあったのバレバレなんですけど」

うっ……。

美姫はそういう変化をすぐに指摘する。
美姫にはいつも隠し事なんてできなかった。

私はおずおずと顔をあげ、紅茶を飲む美姫を見つめる。

「…美姫、駅前にご飯食べに行こう」

こんなたくさん人のいる教室で相談なんてできるわけもなかった。

「いいよ。葉月のおごりね」

「おい」

美姫は勝ち誇ったように笑う。
本当にいつもちゃっかりしてるなあ。

「しょーがないなあ……」

私は一回溜め息をついて、椅子から立ち上がった。
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