失恋シンデレラ
補習2日目も3日目も雨だった。
午後の部活は到底できそうもない。

雨なら部活は休みで、ミーティングもトレーニングもない。
瑞穂と中森に会わなくて良いので、少し安堵している自分がいる。

覚悟したはずなのに、もやもやした気持ちが今のどんよりした雲と同じように晴れない。

そういえば部室にバスタオルをおきっぱなしにしてたっけ。
教室の自分用のロッカーを覗いたときに、ふと思い出した。
今日は部室に誰もいないはずなので取りに行こう。

美姫とみなみに別れを告げ、私は部室に向かう。


部室は体育館の1階にある。
体育館のドアをあけると、2階からボールをつくような音が聞こえるので、バスケ部が練習しているのだろう。

そんなことを考えながら私は部室のドアをあける。
誰もいないことを確認すると、私は自分のロッカーをあけてバスタオルを鞄にしまった。

部室を出て体育館の入り口に向かうと、向こうから雨を直接全身に受けながら走ってくる人がいた。

「あれ、梶原?」

中森だった。

誰も会わないと思っていたのに。
まさかここで会うなんて

「中森…」

中森は体についた水滴を、腕で拭うかのようなしぐさをした。
校舎から校舎の近い距離なのに、中森の体はびしょびしょだった。

「ちょっとの距離なのにびしょびしょだよ。最悪」

中森は溜め息をついた。

「…あんた傘は?」

おずおずと私は中森に話しかけた。

「壊れた。だから部室の置き傘取りに来たんだけど、あるかは微妙」

「そ、そう」

少しの会話なのに、今までにないくらい胸がドキドキした。
< 35 / 47 >

この作品をシェア

pagetop