美月~大切なあなたへ~
「やっぱりなぁ……。
あの人は本当に腹黒いな。」
だめだ……
私、顔に出てるんだ…。
秘密とか守れない人間だなぁ……
「で、どこまで聞いたの?日高は。」
今日、一番優しい顔をして私の顔を覗き込んで聞く龍心先生。
今日、一番のトキメキ…かも。
『えっと……』
とりあえず、沖田先生に聞いたことを、まとまりの無い感じだったけど話した。
「……なるほど…。」
真面目な顔で聞きながら、たまに頷きながら聞いてた龍心先生。
聞き終わると、ため息混じりに零して、腕を組んで背もたれに体を預けた。
少し伏せた顔からは、表情が読み取れない。
……何考えてるのかな?