ご褒美は唇にちょうだい
「その点はご安心ください。操さんが望む以上の役をとってきましょう」


「偉そうな口を聞くのね。自信家なんだ」


「いえ、もともと気の小さい人間ですよ」


俺の答えに、操が馬鹿にしたようなため息をついた。

これが俺たちの始まり。

俺はひとりの若い女優に敬意を覚え、彼女を栄達させることを自分の当面の目標に設定した。
操は結果として大学の人文学科に進んだ。

俺のとってきた仕事を着実こなし、半年もしないうちに雑誌や新聞には『天才子役鳥飼操、復活』の文字が並んだ。

そして、翌年には日本演劇大賞新人賞という栄誉を授かったのだ。



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