ご褒美は唇にちょうだい






「ふうん、そんなことを言ってたんだ」


撮影が終わり楽屋に迎えに行くと、着替え終わった操が缶コーヒーを飲んでいた。
先ほどの小鍛冶青年の話をした時の反応だ。


「でも、それって私とどうこうなりたいじゃないでしょ?共演者として親交を深めたいってことよね」


「さあ、どうかはわかりませんが」


操ののん気な解釈にわずかに苛立つ。
彼女は芸能界で育ったこともあり、恋愛経験もなければ男性経験もない。


「彼がどう考えていようが、あなたがどう考えていようが、二人でいればマスコミは黙っていません。軽率な行動は控えた方がいいですね」


小鍛冶奏には、「大人だから本人に任せる」なんて言っておきながら、操本人にはしっかり釘を刺す。
操はバカではない。この一言で充分だ。


「了解」
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