抜き差しならない社長の事情 【完】
***
紫月がストームグラスを見つめていた頃――
曄をマンションに送り届けたあとの車の中は、
運転する神田専務と切野社長の二人きりになっていた。
「そういえば蒼太、大学一緒だよな夢野さんと。
全然接点なかったのか?」
「俺は理系、彼女は文系 まったく接点はない」
切野はピシャリとそう答えた。
「ふーん
あ、そういえば彼女、相原さんとは何でもないみたいだな」
「――さぁ、どうだか」