冷酷上司の甘いささやき
……私、課長のこと、どのくらい気になってるんだろう? もしかして……結構好きになりかけてる?



……いずれにせよ、羽目を外さないようにしなきゃ。私は、恋愛に浮かれてる場合じゃない。阿部さんとの一件を修復することも、しっかり考えていかなきゃいけないから……。



そして翌日。私はアパートの駐車場で課長を待っていた。
腕時計を確認すると、九時五十五分。十時に課長が来るまで迎えに来てくれることになってるから、もうすぐ到着するだろう。元カノと同じアパートまで迎えにくるの嫌かもしれないけど……。



ふと空を見上げれば、青空が広がるとてもいい天気だ。
少し風があって若干肌寒いけど、桜を見上げながらふたりで歩いていればとくに気にならないだろう。



そんなことを考えていると、駐車場に見慣れない車が到着した。それが課長の車だった。



「おはようございます。今日はよろしくお願いします」

助手席を開けて課長にそうあいさつをすると、課長も「おはよう。こちらこそよろしく」と答えてくれた。



とりあえず、そのまま助手席に座らせてもらい、シートベルトを着ける。それを確認すると、課長は再び車を発進させた。



「車の運転、私もしたいです」

どこに向かっているのかよくわからない車に揺られながら、私はとなりで運転をしてくれてる課長にそう言った。
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