Live as if you will die tomorrow









底冷えするー



冬の寒いある日。





「バーもう終わり?」



午前1:00に、カウンターにはClosedの札が立っていた。



「悪いね。今日だけ。」



飲みに来た客の反応に、座っていた赤い髪の男が答える。



「何かあったの?」



問われたことに対して、赤髪の男が口を開く前に、ステージの盛り上がりに合わせて歓声が上がった。


ついつられてそっちに顔を向けてしまった客が、もう一度振り返った時には。




「ーあれ…?」



カウンターに座っていた男の姿はもうなかった。








Notte di Luna始まって以来の、バーテンダーの不在は、寒い寒い日。

一雫の雨さえ、地に降り立つ前に、雪に変わってしまうだろうと思われるほどに、空気が凍えていて。


空には、一筋の光も、射し込まず。


熱という存在その物を、誰もが忘れてしまったかのような、夜。




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