Live as if you will die tomorrow
雪が降ってもおかしくないのに、と、どっちつかずの空を恨めしく見上げた。
目の前にそびえ立つ白い建物は、塗り壁のよう。
時間を確認してから腕時計を外し、代わりに手袋を嵌める。
警備員の交代の時刻。
夜間受付を通り抜け、職員専用の鉄扉からICカードを通し、中に入った。
「お疲れ様です。」
先にいた警備員にそっと声をかけると、睡魔と闘っていた年配の男はうーんと伸びをした。
ここの大学病院の警備は、決して甘くはない。
それは、それ相応の人間を相手としているからでもあった。
だが、そうした人間には元々きちんとした警備が付いている。
毎夜大きな問題は起きず、大抵は、巡回業務や夜間受付をする程度で、入院患者のトラブルも滅多にない。この時間帯ともなれば、救急車両の誘導があるかないかくらいなものだ。
「…今の所問題はないよ。あとよろしくな。」
ポンポンと肩を叩かれ、短く返事をした。