Live as if you will die tomorrow
「……なら、、思い出せよ。」
要らない人間に成り下がった今なら、分かるだろ?
「あんたが、半殺しにした人間の事。」
ベッド傍に突っ立ったまま。
白衣の下、着込んだワイシャツに手を伸ばし、ネクタイピンを外す。
一粒の輝く石の中には、液体が入っている。
呼吸器を外さなくとも。
もっと楽で、不自然でもない。
簡単に、《存在しなくなる》
「そうじゃないと俺ー」
点滴の管を掴んだ所で。
「最初から最期まで、身体が無いみたいだ。」
今迄になく、手が震えた。
ー信じてたんだ。
こんな俺でも。
疑う事なく、必要な人間になる為に努力して、なれたと思い込んでたんだ。
葉月にとって、母親の概念が刷り込みみたいに刻み付けられていたのと同じように、俺にも、呪いがかかってたんだ。
いつもそばにいなくても。
泣くことを禁じられても。
キャッチボールをしてくれなくても。
毎日顔を合わさなくとも、言葉を交わさなくとも。
心の底から尊敬して。
絶対に、あんたは俺を棄てないって。
信じてたんだ。