Live as if you will die tomorrow



ガチャン


言い掛けた崇が、目を瞠った。




「ー本当は?」


無様に割れて転がるアブサンの瓶。

それが投げつけられたテレビの画面は真っ暗になって、耳障りな音も消えた。


代わりに。

クツクツ、笑い声が漏れる。


「な…んで、笑うんだよ…」


そんな俺を前に、崇は困惑気味に呟いた。


「本当、なんて、それこそ『存在しない』。本当かのように、見えるだけだ。」


真実なんて、ありはしない。

あぁ、ほんと、笑える。


「…燈真……」


俺は名前まで、呪われてる。



「ーどうでもいいそんな話より…崇は何の用だった訳?」



まだ、何か言いたげな崇に、終わりにしろ、と暗に告げるが、崇の顔は明るくはならない。


瓶の中からは、溢れた液体が床に広がって染みをつけていく。



「はー…」


やがて、崇が諦めたように息を吐き、固く目を瞑って、すぐに開いた。


そして。


「そうだったよ、俺、肝心なこと忘れちゃってたなぁ。あのさ、ちょっと名字が必要になっちゃったんだよね。で、俺も斉藤って名乗っていい?」


いつも通りの崇に一瞬にして戻る。
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