mariage~酒と肴、それから恋~《2》
「分かってんなら聞かないでよ」


「一応、本人に確認しとかないと。情報が間違ってる場合もあるし」


「…彼氏なんていないよ」


何、この展開。

優位に立たれてる。

まるでジリジリと追い詰められてる感じ。


…すごく、ドキドキする。


「良かった。何のために佐藤に付いてもらったのか分かんなくなる」


「…あたしのこと仕事できるから選んだんじゃないの?」

…自分で言うのもなんだけど。

わざと茶化してみたけど、百田は引かない。


「それもある。仕事できない奴にサポートしてもらうつもりないし。

けど、それだけじゃない。わかってんだろ?」


百田の声のトーンが優しい。

耳の奥に甘く電流が走るみたいに響く。


おかしいって。

普通の同僚同士が会社の中でする会話じゃない。

こんなのまるで……


「気づいてなかった?俺が昔、佐藤を好きだったこと」

何でもないようにサラッと口に出した。


心臓が跳ね上がる。

それ、かなりの重大発言だよね?!


「…そ、そんなの気づいてなかったよ」

動揺して声が裏返った。
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