沈黙の境界線
そして、さっきまでの穏やかで優しい笑顔は途端に無機質で、冷たい眼差しに変わると
「ラテにはいつも助けられてるよ」
どこを見つめているのか分からない。
そんな表情を見せた。
恭吾のそんな表情を見るたびに
私はいつも不安になった。
恭吾はちゃんとここにいるはずなのに
彼の心はここにはいないようで・・・
少し手を伸ばせばちゃんと触れられるのに
まるで
立体映像を見ているように
彼の存在が不確かなもののように感じて
不安で
淋しくて
孤独を思い知らされる。
それはきっと孤独な彼の心を
私の心が
鏡のように映しているからなのかもしれない。
どんなにそばにいても・・・
どんなに彼を理解したくても
結局、私達は似ている者同士なだけで
全く違う個々の塊であることを思い知らされる。
「私はちゃんとここにいるから
だから
恭吾もちゃんとここにいて・・・?」
不安で囁いた私に
恭吾は小さく頷いた。