不良探偵
恐怖と暴力で、メンバーを支配する鏑木。

しかし、それにも限界が近づきつつあった。

所詮は街のゴロツキグループ。

警察という国家権力が本気を出せば、その総力に敵う筈はない。

日が経つ毎に東京連合の逮捕者は増え、包囲網は狭められていく。

取り巻きも減り、次第に追い詰められていく鏑木。

「……」

クラブの裏口から、大通りの様子を窺う。

…クラブの前の電柱の陰に、煙草を吸いながら立っている人相の悪い中年男の姿があった。

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