不良探偵
耕介は青年の手を放す。

力無く地面に落ちる青年の手。

まるで土下座のような姿勢で、青年は顔を伏せる。

雛罌粟に詫びているようにも見える。

そんな青年の脇腹を。

「おい」

耕介は軽く蹴る。

ひぃっ、と情けない声を上げる青年。

「雛罌粟に謝れ。二度と手を出さないって誓え」

「ち、誓います、絶対にもう顔見せません」

「おめぇらもだ」

耕介はハンドポケットのまま、周囲の半グレどもに言った。

「今度俺や雛罌粟の視界に入ってみろ。全員コイツと同じ目に遭わせる」

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