不良探偵
半ば強引に、耕介と共にバスルームに入った雛罌粟。

その耕介の腕を見て。

「っ…」

雛罌粟は息を飲む。

腕に残った、青紫の痣。

「ん?ああ、これは…ちっとな」

鏑木の拳をガードした時に残ったものだろうと、耕介はすぐに察しがついた。

そして、耕介が雛罌粟の誹謗中傷をされた報復に向かった事も、彼女はすぐに察しが付く。

「探偵さん…」

耕介の腕を取り、その痣に唇を当てる雛罌粟。

「痛そう…」

「大した事ねぇよ」

「私の為に…?」

「嫌がらせされたのは俺もだからな。自分の為にだ」

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