いけない!?同居生活
その渡部さんに声をかけたのは、もう一人のバーテンダーさん。
大人の男の人って感じの、少し渋めのかっこいい男の人。
二人がバーカウンターに立つと、とても目立って、お似合いだ。
「お姉さん、私にももう一杯ー」
「一度ソフトドリンクにされては?」
「だめです!今日は飲むって決めたんです!どうせ、帰るところだってないんですから!」
・・・そうだ。
帰る場所もない。
ここを出たらどうしよう。
ホテル?
それとも、ネカフェ?
ああもう、考えたくない。
「仕事も家も失うなんて・・・。なんて不幸なの・・・」
ガクン、とテーブルに突っ伏す。
「春ちゃんち泊めてもらえば?」