過保護な彼に愛されすぎてます。


そう思い言うと、郁巳くんは「このままで大丈夫。それより」と目を輝かせながらまとわりついてくる。

掃除機を納戸に片づけている後ろから、首に両腕を回されてうっとうしい。
やっぱりつけようかな、エアコン。

「なに?」

パタンと納戸の扉をしめながら聞くと、郁巳くんは後ろから抱きついたまま、私の前で手のひらサイズの茶色い紙の包みをプラプラと揺らす。

「これ。奈央ちゃんにプレゼントー」
「誕生日はまだ先だけど」
「知ってる。これは、ただ奈央ちゃんに似合いそうだなーって思ったら買わずにはいられなくなっちゃっただけ。ね、開けてみて」

ギュウギュウと抱き締められながら言われ、目の前で揺れる紙包みを受け取る。

そして、後ろにまとわりつかれたままピリピリと包装を開けると、中からは透明なビニールの包装に包まれた、白いリボンのシュシュが出てきた。

手のひらサイズのリボンはオフホワイトで、二重になっていてボリュームがある。
でも、レースで薄い生地だからかそこまで主張はしていなくて、清楚なイメージだった。

ゴムの部分は淡いベージュ色をしている。

眺めていると、郁巳くんが抱き締めていた手を外し、私の手のひらからシュシュをとる。

「昨日モデルの仕事があったんだけど、休憩中に入った店にこういうのがいっぱいあってさ。これ、奈央ちゃんにぴったりだと思ったから。つけてよ」

郁巳くんがビニールの包装を開けながら言う。

私がしている髪型は、ちょうどポニーテールだ。
真美ちゃんに教えてもらったとおり、手櫛でラフにまとめたポニーテール。

いつも使っている黒いゴムの上から、真美ちゃんからもらったシュシュをつけている。



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