過保護な彼に愛されすぎてます。


すると、待ってましたといわんばかりに、司会が『実は関係者から情報を入手してまして』と笑みを浮かべ、手元の資料を読み上げる。

『〝不破さんは人懐っこい性格でとても明るいので、現場でもムードメーカー的存在です。
実は、そんな不破さんが最近、特別に親交を深めているモデルさんがいるんです〟とのことで』
『えー……誰だろ。ちょっと思いつきませんが』

不思議そうにする郁巳くんを見て、司会のひとがニヤッと笑う。

『実は今回、そのモデルさんにスタジオにきていただいてます。こちらの方です、どうぞー』

明るい声を向けた方向から現れたのは、綺麗な女性だった。

黒いストレートの髪が腰あたりまであって、身長が高い。
〝まいった〟とばかりに眉を寄せ笑いながら立ち上がった郁巳くんと比べても、五センチくらいしか違わなかった。

「お。真野さんだ」

テレビを見ていた吉原さんが言うから「このモデルさん、知ってるんですか?」と聞くと、うなづかれる。

「最近、この子もよく出てるよ。女性誌のモデルらしいけど、割と男性誌にも載ってる。……ああ、そういえば、今月発売になった雑誌で不破と一緒に写ってたな。ってことはその宣伝か」
「宣伝……」

言われてみれば、郁巳くんもそこまで驚いた様子はないし、あらかじめこういう段取りだったのかなと思う。

テレビのなかで、郁巳くんの隣に用意されたソファに座った真野さんは綺麗な笑顔を浮かべていた。
お似合いだと思った。


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