君を愛さずには いられない
「佐竹さん?」
俺は河村の声にハッとした。
間近に彼女の顔があり一瞬目の焦点が合わなかった。
河村は俺が返事をしないことに慣れ
すぐに切り始める。
「とにかくこれから御徒町へ寄ってください。」
「これから?」
俺は憤慨した。
あと15分で定時だと言ってやりたかったが
彼女が反発するのは目に見えていた。
「当たり前です。」
「わかった。寄ればいいんだろ。」
「ありがとうございます。」
助手席で俺にペコリと頭を下げた。
ギャーギャーうるさい割りに
そういうところは律儀なタイプだ。
「明日先方に持参します。」
「俺は行かなくてもいいだろ。」
取引先のY社の秘書課に一歩足を踏み入れようものなら
秘書どもにまとわりつかれるのが恒例となっていた。
一度に数種類の異なるフレグランスをまともに吸い込んだら最後
めまいと吐き気に襲われるのだ。
あの匂いが今も鼻の奥に残っていそうで
思わず顔をしかめた。
「佐竹さんの女嫌いには申し訳ないですけどご同行をお願いします。」
「・・・・・」
俺は絶句した。
河村に女嫌いというレッテルを貼られムカついた。
事実だが。
俺は無言で運転した。
しばらく沈黙が続いた。
すると河村が妙に暗いトーンで話し出した。
「すみません。女嫌いだと失礼なことを言って。」
俺は正面を見すえたままうなった。
「いや、事実だ。」
「失言でした。」
「もういい。」
「でもなぜですか?」
「おまえに言うつもりはない。」
「そうですか。私も一応女なので。」
「ああ、そうだったな。」
俺はおまえのことを女だと思ってない。
そう言ったらかなりヤバくなりそうだ。
やめておこう。
俺は河村の声にハッとした。
間近に彼女の顔があり一瞬目の焦点が合わなかった。
河村は俺が返事をしないことに慣れ
すぐに切り始める。
「とにかくこれから御徒町へ寄ってください。」
「これから?」
俺は憤慨した。
あと15分で定時だと言ってやりたかったが
彼女が反発するのは目に見えていた。
「当たり前です。」
「わかった。寄ればいいんだろ。」
「ありがとうございます。」
助手席で俺にペコリと頭を下げた。
ギャーギャーうるさい割りに
そういうところは律儀なタイプだ。
「明日先方に持参します。」
「俺は行かなくてもいいだろ。」
取引先のY社の秘書課に一歩足を踏み入れようものなら
秘書どもにまとわりつかれるのが恒例となっていた。
一度に数種類の異なるフレグランスをまともに吸い込んだら最後
めまいと吐き気に襲われるのだ。
あの匂いが今も鼻の奥に残っていそうで
思わず顔をしかめた。
「佐竹さんの女嫌いには申し訳ないですけどご同行をお願いします。」
「・・・・・」
俺は絶句した。
河村に女嫌いというレッテルを貼られムカついた。
事実だが。
俺は無言で運転した。
しばらく沈黙が続いた。
すると河村が妙に暗いトーンで話し出した。
「すみません。女嫌いだと失礼なことを言って。」
俺は正面を見すえたままうなった。
「いや、事実だ。」
「失言でした。」
「もういい。」
「でもなぜですか?」
「おまえに言うつもりはない。」
「そうですか。私も一応女なので。」
「ああ、そうだったな。」
俺はおまえのことを女だと思ってない。
そう言ったらかなりヤバくなりそうだ。
やめておこう。