クールな御曹司はウブな彼女を乱したい〜抱き尽くされる溺愛初夜〜
マイナスの感情に支配され、自分をどんどん嫌いになる。

小さい頃はそんな私を永遠と彼のお母さんが救ってくれた。

でも……今は自分でどうにかしなきゃいけない。

落ち着け……落ち着くんだ。

正門を出ようとしたところで、誰かに肩を捕まれた。

また永遠?

ハッとして振り返れば、そこにいたのは永遠ではなく……。

「織田さん?」

織田さんがハアハアと息急ききって現れる。

「何度も呼んだんだけど、杏ちゃん気づかなくてさ。思わず走っちゃったよ」

永遠じゃなかったことに落胆する自分がいて嫌気がさす。

「永遠じゃなくてごめんね」

私の顔を見て織田さんが謝る。

そんなに表情に出ていたのだろうか。

いや、単に織田さんが鋭いだけかもしれない。
< 130 / 309 >

この作品をシェア

pagetop