◆Woman blues◆
◆◆◆◆◆◆◆◆

いつもの居酒屋『えん』で、麻美の綺麗な瞳が力強く光った。

「確かめるわよ!」

賑やかな店内の喧騒に、私たちの声も大きくなる。

「……また?!」

「またよ」

「……でも……」

「でも、なに!?」

「いやなんか、自分が嫌な女に思えてしかたない」

「はあ?!東郷秋人の時はビンゴだったじゃん。自己防衛のどこが悪いのよ。悪い男にダラダラと人生無駄にしないための策よ。
時間と体力と愛情の無駄を省く事のどこが悪いのよ!?」

「……だって……疑ってるって事なんだよ?なんか、恋人を疑うって、最悪じゃん」

ひどく落ち込んだあまり、居酒屋のテーブルにガツンと額を打ち付けて、私は力なくため息をついた。

麻美はそんな私を見て、

「そんなこと言ってたら、探偵社は廃業だね!
しっかりしなさい!彼、いつだって言ってたの?尾行するわよ、秋人の時と同じ要領でね」

「…………次の土曜日、6時」

「つけるわよ、分かったわね」

「はあ」

ああ、こんなの本当にいいのだろうか。

だけど、さっき麻美が言ったみたいに時間を無駄にはしたくない。

もう、分かんない。
< 105 / 143 >

この作品をシェア

pagetop