やっぱり俺のお気に入り
そんな俺の苦悩を知ってか知らずか、目の前の未来は真剣そのもの。



「これはね、ここが、こうだからこうなって・・・それでね、こっちは・・・計算がこうなるの」



俺が分からないと言っていた問題をスラスラと解いていきやがる。



俺はこんな問題なんか別にどうでもいいんだけど?



でもこうでもしないと未来が一緒にいてくんないからさ。



俺なりの努力??ってやつだな。これは・・・・・



「龍斗??ちゃんと聞いてる??こんだけ説明して教えてあげてるんだから、いい点取らなかったら怒るよ??」



「ははっ♪大丈夫、大丈夫」



明日の試験を目前にしても余裕な俺。



未来と一緒にいる。



・・・・・それだけでいいんだ。



だってテストなんていつも赤点ギリギリだし??



今さら頑張っても結果なんて似たようなもんじゃん。



「全教科平均点以上を目標にしてね!約束だよ。絶対に約束ね」



気楽に考えていた俺は、



そんな未来の言葉なんて全然気にしないで、



「はい、はい、はい」



無意識に適当な返事を返していた。



これが悲劇??の始まりだったんだな・・・・・。
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