紳士な婚約者の育てかた

家電に詳しくてパソコンにも精通している知冬のスペイン人の友だち。
てっきりもっと理系の人を想像していた。メガネで知的で静かな人。
こんなにも日本語に精通していたのは話しやすくてよかったけれど。

他はイメージと全然違うんですけど。

勝手にくつろぎだして持参したビールとか飲み始めてますけど?

これって何かおつまみとか出さないといけない感じかな。

ちょっと多めに買ってきたけど基本二人分しか鍋の材料もないですが。

「知冬君のフィアンセ。可愛いね。メチャ可愛いね」
「それで。ここには何で?」
「何でって酷いなあ。パソコン良いのホシイって言ったの知冬君じゃん」
「もう手に入った?」
「ノォ。ノォ。パソコンはきちんと必要なスペックを確認しないといけないから、聞きに来た」
「……と、いうていで志真を見に来たという話じゃないよな?」
「そんな卑怯なことはしないよ!」

台所で1人戦っている志真を他所に何やらお話中の男2人。
フェルナンドは口調はオネエさんぽいけど、そういう人ではなさそう。
どういうタイプのお友達なのか非常に気になるところだ。
だってどう見たって知冬が仲良く出来そうな人には見えない。

けど、一緒にお酒飲んで楽しそうにしているから仲はいいみたい。

「あ、あの。ごめんなさい、ちょっとお鍋もってもらっても」
「僕が持つよ」
「良いですか?」
「Si!僕は力にも自信があるからねー」
「…にも」

ごめんなさい、どっちかっていうと力しか自信なさそうな見た目です。

筋肉がモリモリしてて鍛えてそうな体。顔は男前だけど濃すぎ。
家電とは無関係そうなほどに体育会系。
材料が入った鍋をコンロの置いてある机まで運んでもらい火をつける。
その間他のものを作ったりおつまみ的なものを運んだり。
志真は忙しく動きまわって。

「志真チャンは学校の先生?」
「いえ。事務職員です」
「へー。こんな可愛い子がいる学校なら他にも可愛い子居そうだネっ」
「そ、そう、ですね」

魚メインのお鍋が美味しく出来上がる頃にやっと席につき3人で改めて乾杯。
志真はまだ何故ここにフェルナンドが居るのか知らないけれど。
すぐに知冬からパソコンのことで来てくれたのだと教えてもらった。

「要件をすませてさっさと帰ったら?」
「まあまあ。落ち着いて。志真チャンが使うパソコンでよかったよネ?」
「は、はい。でも私パソコンが得意じゃなくて。最新でなくてもいいんです、簡単なら」
「僕がイチから教えてあげるから大丈……ぁつぃ!熱いよ!知冬君!
豪快に熱々の白菜を顔に投げつけないでよ!」
「煩い」


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