紳士な婚約者の育てかた
ミルクティを思いっきり甘くして飲むと幸せな気分。
何時もの安い奴じゃなくって高い茶葉でプロにきちんと
淹れてもらっているから香りもなんとなく違う気がするし。
お土産にお店のティバッグを買ってしまった。
知冬さんの視線が痛かったきがするが、気のせいだろう。
「せっかくだし夕飯の買い物もしちゃおうかな。あ。明日ってお義母さん
朝食は食べてきますよね?そんな早朝からは来ないですよね」
「母親も朝は食べない事が多いので、もしかしたら起きてすぐ来るかも」
「じゃあお義母さんの分も用意しておこうかな。お昼は食べるだろうし」
「そんなきっちりと考えなくていいですよ。母親は感情のままに生きているようなもので。
欲しいと思ったらその時適当にとって食べますから。疲れますよ、相手にすると」
「じゃあ食べて貰えそうなものを適当に買っておこうかな」
やはり相手の母親というプレッシャーと言葉の壁があって
お義母さんとの壁が中々越えられない。
気に入らないとか怒っているとか意地悪をされるなどは今は無いが。
知冬の世話をしていれば基本そこは誰でもクリアできそうだし。
でもお世話係じゃなくて奥さんになりたいわけで。
ここは腹を割ってドツきあって壁を壊すしかないのだろうか。
だめだ、あのお義母さんに勝てる気がしない。
「重い?持ちましょうか」
「これくらいは大丈夫。知冬さんも1つ持ってくれてるし」
夕飯の買い物を終えて帰宅。
義母が何か好きかも分からなくて適当に買ったら大荷物。
ワインが好きだと言うのでワインも念の為に1本買ってみた。
細い通路を歩いて、あと少しで家と思えばこれくらい。
「オラー…ブエナース」
玄関に座って不満そうな顔でこっちを見ている不審者サン発見。
コッチを見て気だるそうに手をふってご挨拶。
「フェルさん?どうしたんですか?」
「知冬君。メール見てくれてないでしょ?電話もしたのにっ」
「そうだった?」
「そうだったヨ!tonto!tonto!」
「す、すごく怒ってますね。あの、なんて言って?」
「馬鹿って言ってます」
殴りかかってくるような雰囲気はないけれど、
そんな怒るほど待ったのなら無碍にすると遺恨を残しそうだ。
肝心の知冬は特にフォローする気はないようだしここは自分が。
「あ、あの。すみません、知冬さんに用事があったんですね。よかったら中でお茶でも」
「……」
「あ、ああ。時間も遅いですし夕飯もご一緒に」
「Si~Si。入ろう」
あれ凄いゴキゲンで中に入っていったぞ。
もしかして全部演技、とか?
凄い騙された感があるような。
「良いんですか?」
「知冬さぁんっ」
分かってたなら先に言ってくれてもよくないですか。