紳士な婚約者の育てかた

どうしよう、何を言えばいいだろう、どうしたらいいだろう。

わからないので

ぎゅーーーっと抱きついてみた。

「志真。若干苦しい」
「……」
「……志真。嫌になった？」
「なってない！」
「耳元で声が大きい」
「ない」

だって加減がわからないんだもの。
どうしたらいいのか、何をしたら良いのか。ぜんぜん。
こんな時誰かに聞けたら良いのに、テレパシーとかで。

ああ、無知な自分が辛い。

だけど知冬が大事で愛しい気持ちは自覚している。
それはどんどん大きく膨らんでいくのも分かっている。

他の誰にも興味を持てなくても、

私には興味を持って、愛してくれる。

不器用だけど。それはお互い様。

「そう。よかった。…じゃあ、…イイ？」
「……え」

ぎゅっと抱きついて抱きしめられていた知冬の手が
妙な場所をモゾモゾとなぞり始めたぞ。
服の上から入り口を求め志真の体のラインをさぐり。

「志真の体。…志真の肌」

服の間から手を忍ばせ腰を直にナデナデ。

「うわああ！」

ゾクゾクっとして思わず叫んで腰を浮かせる志真。

「大丈夫。触れるだけ、今は」
「……う。うう。…触れる、だけ」
「ほら。志真も触れて」
「……ふ、触れる」

私が、知冬さんに。触れる。直に。

でも、何もしないなら。触れるだけなら。いいかも。

恐る恐る手を伸ばし彼の頬に触れて。

それだけで自分でも分かるくらい体が熱い。

「もっと触れて志真。もっと」
「……も、もっと」

ど、どこ？何処さわったらいい？

「志真に俺の中にもっともっと深くはいって来て欲しい」
「知冬さんの中に」
「君が嫌でないなら。俺はもっと君と歩み寄りたい」
「それは私もです。…婚約をしてますし」

まだ最後の結論はだしていないけれど、でも恋人以上にはなっていたい。

私だって知冬さんをきちんとしっかりと独占したい

そんなワガママ。

「なら志真。俺にスキにさせて」
「す、すきって！？」
「たとえば」
「……うわあっ」

一瞬の隙を突いて

ベッドに

押し倒されたっ