紳士な婚約者の育てかた

外国の有名サッカー選手ばりの体格の良いスペイン人男性による
繊細にして香りも味も絶品の料理が3品ほどテーブルに乗り、
そこに志真が朝作ってあまった朝食の残りが追加されてお夕飯開始。

冷静になっちゃいけないとは思うけれど、

おばさんの家にこうも多国籍な面々が集っているのが変な感じ。

両親がみたら卒倒しそう。

「Esta rico~!志真チャンの卵焼き美味しい」
「そ、そうですか?良かった」
「メチャウマだよ。毎日食べられる知冬君が羨ましいねー」
「……」
「あれ。知冬君?元気ないね、どうしたの?」
「知冬さんは、その。お仕事が忙しくなってきて、週末にはフランスへ帰る予定で」
「へえ。そうなんだ。そっかそっかーそれは残念」

それを聞いたフェルナンドが何やらいやらしくニヤリと笑う。

「……」

睨みつける知冬。

「そう、なんです。…はあ」

その出来事に全然気づいてない人がここに1人。

「え?僕に紹介したい女の子?」
「は、はい。…その、年齢は私よりほんのちょっとだけ上なんですけど。
美人だし優しいし…でも彼氏募集中で。フェルさんも探してるって言ってたから」
「……」
「難しいですよね。そんな事を急に言うなんて、すいません」
「…デート何時出来るか聞いてもらってもいい?」
「も、もうデート!?」
「だってほら。まずはデートしてみないとさ」
「早くないですか?ね、ねえ?知冬さん。いきなりそんなデートとか」
「…いいんじゃないですか?別に」
「話に入る気ゼロだね知冬君。はは、らしいけど」

フェルナンドとばかり話をしていたせいかすっかり不貞腐れてしまった知冬。
これは後でゴキゲンをとらないと面倒なことになりそうな予感がする。
とりあえず、フェルナンドの写真を撮らせてもらって後日また連絡するとつたえた。



「うん。わかった。…まだ、大丈夫なんだよね。…良かった。
はい、じゃあ、また明日も。お母さんも気をつけてね。ムリしないで」

フェルナンドが帰った後、片付けも彼があっという間にしてくれたので
志真は母親に電話をかけた。まだ、大丈夫とのこと。
それがおばさんにとって良いことか悪いことかは分からないけれど。

「志真」
「大丈夫です」
「そう」
「お風呂って今日から使えましたっけ?」
「いや。明日、最終チェックをしてからだそうです」
「そっか。楽しみですね」
「2人で入るのは」
「やめましょうね怒りますよ」
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