気まぐれイケメン上司に振り回されてます!
見つめ合うことに、そろそろ鼓動が堪えられないと思ったとき、
「――お前ら、人が通ったらどうするんだよ」
オフィスの出入口で賀上さんが呆れ気味にわたしたちを見ていた。
そうだ、ここは通路でいつ他の社員が通ってもおかしくないのに、こんなに近づいていたら誰かに見られて誤解されてしまう。――って、もう賀上さんに見られてしまった!
「……邪魔しないでくださいよ」
賀上さんに見られたことに、どうしよう!とわたしは焦っているのに、景さんは取り乱すことなく不機嫌そうな顔を賀上さんに向ける。
しかも“邪魔しないでくださいよ”なんて、おかしい!
「っ……、景さん、離れてください!」
「なんで。話はまだ終わってないよね?」
「いいから離れて、この手もやめてください!」
今まで無抵抗だったわたしが景さんの手を掴むと、彼は眉を寄せながらもわたしの顎から手を離し、少しだけ距離をとった。
わたしを見つめていた景さんに、ここは通路だということを忘れるほどドキドキしていたことが、今頃恥ずかしくなってくる。
顔に熱が集中するのを感じていると、賀上さんがこちらに向かって歩いてきた。
「朝本。例の広告デザインの打ち合わせするぞ」
「え……?」
「早くしろ。午後はスケジュール詰まってるんだ」
「――お前ら、人が通ったらどうするんだよ」
オフィスの出入口で賀上さんが呆れ気味にわたしたちを見ていた。
そうだ、ここは通路でいつ他の社員が通ってもおかしくないのに、こんなに近づいていたら誰かに見られて誤解されてしまう。――って、もう賀上さんに見られてしまった!
「……邪魔しないでくださいよ」
賀上さんに見られたことに、どうしよう!とわたしは焦っているのに、景さんは取り乱すことなく不機嫌そうな顔を賀上さんに向ける。
しかも“邪魔しないでくださいよ”なんて、おかしい!
「っ……、景さん、離れてください!」
「なんで。話はまだ終わってないよね?」
「いいから離れて、この手もやめてください!」
今まで無抵抗だったわたしが景さんの手を掴むと、彼は眉を寄せながらもわたしの顎から手を離し、少しだけ距離をとった。
わたしを見つめていた景さんに、ここは通路だということを忘れるほどドキドキしていたことが、今頃恥ずかしくなってくる。
顔に熱が集中するのを感じていると、賀上さんがこちらに向かって歩いてきた。
「朝本。例の広告デザインの打ち合わせするぞ」
「え……?」
「早くしろ。午後はスケジュール詰まってるんだ」