幼なじみの隣で不器用な恋を
「それはそうと、今日…買い物に付き合ってくれたお礼がしたいんだけど、何か欲しいものない?」
「えっ、そんなのいいよ…!」
間髪入れずに首を横に振る。
眞紘くんと一緒にお買い物が出来て、すごく楽しかった。
それだけで充分なのに、更にプレゼントだなんて…。
「俺がプレゼントしたいんだ、花奏に。」
「でも、なんだか悪いよ…。眞紘くんから、温かくて幸せな時間を貰ってるのは私の方だから…。今日に限らず、いつも……。」
どちらかと言えば、私が眞紘くんにお礼をしなくちゃいけないよね…。
「このタイミングで、そんな可愛いこと言われると思わなかった…。」
「えっ…」
「不意打ち、しないでくれる?」
眞紘くんは口元を手で覆いながら、少し眉をしかめる。
「あの、別に…そういうつもりは何もなくて、えっと……思ったことを素直に口にしただけというか……」
ちょっと怒ってる……?
アタフタしながら事情を説明する私に、眞紘くんはフッと吹き出すように笑った。