幼なじみの隣で不器用な恋を

「ん、分かってる。花奏が、そうやって素直な気持ちを俺に伝えてくれるの、すげぇ嬉しい。」


「怒って…ない?」


「当たり前だろ?ただ、理性をいとも簡単に崩すぐらいの破壊力があるから、耐えるのがキツいというか……」


「………?」


眞紘くん、何かに耐えてるの?


私の理解力が悪いんだろうか…。


言ってることが、よく分からないや……。


「いや、今のは気にすんな。」


「うん……」


照れくさそうに首の後ろに手をあてた眞紘くん。


ふと、何か思いついたように“あ!”と声を発した。


「じゃあさ、今日の記念に何か買わないか?今日は、俺たちが付き合って初めてのデートなわけだし。」


初デート記念…。


特別さ溢れる言葉に鼓動が波打つ。


記念って、なんだかいいな…。


「うん…」


私は、ドキドキしながら頷いた。


< 237 / 302 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop