幼なじみの隣で不器用な恋を
「そうと決まったら、何買うか選ばないとな!花奏は、どんなものがいい?」
「うーん……」
眞紘くんに訊ねられた私は、店内を見回す。
その時、ちょうどお店に入ってきた一組のカップルが目に留まった。
あの人たち、バッグにお揃いのキーホルダーつけてる…。
眞紘くんと、あんな風に同じもの持てたら嬉しいけど、嫌がられちゃうかな…。
提案しようか決めかねていると、急に目の前が何かに覆われて真っ暗になる。
「えっ!?」
それが眞紘くんの手だと認識するまで、殆ど時間が掛からなかった。
「他の男は見なくていいから、俺のこと見ろよ。」
「ちっ、違うの!見てたのは…あの人たちのキーホルダーで……」
「キーホルダー…?」
触れられたドキドキに動揺しながらも慌てて説明すると、大きな手の温もりが離れて視界が開けた。
「あのね、キーホルダーとかストラップとか、何か…眞紘くんとお揃いのものが欲しいな…と思ったの…。」
「えっ…」
て、提案しちゃった…。
眞紘くん、驚いてる…。
お揃いっていうのは、ちょっと重いかな…。