幼なじみの隣で不器用な恋を

「おっ、お揃いのもの買うのは、やっぱり抵抗あるよね!ごめん、今の発言は忘れて……」


「いや、特に抵抗はねぇよ?だって、小学生ぐらいまで俺らお揃いのもの持ったりしてたじゃん。みんなで旅行に行った時に親たちが買ってくれたものとか、あと…クリスマスプレゼントとか…。」


言われてみれば、そうだ…。


眞紘くんが引っ越すまでは、家も隣同士で家族ぐるみの付き合いだったから、旅行とかクリスマスとか、殆ど二家族合同でやってたんだよね。


旅行先で買うお土産のキーホルダーとか、クリスマスプレゼントはお揃いの動物のぬいぐるみだったこともあったっけ。


懐かしい…。


「そりゃ、昔に比べたら今は…関係も変わったし、お揃いのものを持つのは少し照れくささもあるけど、そんな感情よりも、花奏と同じもの持てる嬉しさの方が大きいよ。」


少し頬を赤く染めたまま、柔らかく笑う眞紘くんに胸が温かくなった。


「そ、それじゃあ…何かお揃いのもの買おっか…。眞紘くんも一緒に選ぼ?」


「ああ。」


私たちは心を弾ませながら、店内を歩き始めた。


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