幼なじみの隣で不器用な恋を
「花奏、キスしたいんだけど…いい?」
不意に降ってきた言葉に、ドキッとしながら小さく頷く。
「あっ、でも、今の私…涙で酷い顔になってるよ?」
眞紘くんは少し体を離すと、私の頬を大きな手で包む。
そして涙を親指で優しく拭った。
「俺には、酷い顔じゃなくて可愛い顔にしか見えないけどな。」
微笑ましそうに目を細めた眞紘くん。
徐々に距離が近くなって、唇が重なった。
「……んっ……んんっ……」
静かな室内に甘い口付けの音が響く。
優しく啄むように触れるキスに、全身が熱で溶けてしまいそう…。
眞紘くんの服をギュッと握りしめて受け止めていると、ゆっくりと唇が離れた。
「花奏の声が可愛くて止まらなくなりそうだから、ちゃんと抑えとかないとな。この先は花奏のペースに合わせたいし。」
「き、キス…もう少しだけなら大丈夫だよ?」
眞紘くんにペースを合わせて貰ってばかりじゃダメだよね…。
もうちょっと私が頑張らないと…。