幼なじみの隣で不器用な恋を
「…はい。宜しく…お願いしますっ…」
嬉しくて、胸が苦しいぐらいに震える。
溢れる涙を拭っていると、眞紘くんは優しく抱き締めた。
「良かった、OKしてもらえて…。実を言うと、どんな反応されるか少し不安だったんだ。まだ、花奏は結婚まで意識とかしてないかもしれないから、もしもプロポーズしたら戸惑わせるんじゃないかって。」
「私ね、今朝…なっちゃんに“雰囲気が夫婦”みたいなこと言われてから、すごく将来のこと意識しちゃってたの。眞紘くんと結婚出来たら、幸せだろうなって思ってた。だけど、あの時の眞紘くん…あまり反応してなかったから、まだ…そういう話に興味は無いのかもって思ってた。」
スーパーで竹内さんから“新婚夫婦みたい”って言われた時も、眞紘くんは驚いていたけど、その後…特に反応無かったし…。
「いや、めちゃくちゃ意識してたよ。だけど、あの場で思いっきり反応する俺を見て、花奏に引かれたりしたら、プロポーズするの躊躇うかもしれないから。頑張って抑えてた。」
「…そうだったんだね。」
関心ないわけじゃなかったんだ…。
ポロポロと零れ落ちる涙が眞紘くんの着ているパーカーを濡らしていく。
「こんなに泣かせてごめん…。ビックリしたよな?」
「うん…。驚いたけど、この涙は…嬉しくて自然に溢れてるだけだから…」
幸せ過ぎる誕生日だよ…。