幼なじみの隣で不器用な恋を
でも、そんなの無理だった。
どんなに部活に打ち込んだって、ふとした時に花奏を思い出して、気にしていたから。
花奏のことを考えないように、自分自身にセーブをかけようとすればするほど、どんどん想いが強くなっていく一方で…。
結局、花奏を想う気持ちを心の中から消すことなんて出来なかった…。
「それじゃあ、眞紘くん…部活には入らないんだね…。」
「ああ。もう…あの頃みたいに無理して打ち込む必要もなくなったから。」
俺にとって部活は、“花奏への気持ちを諦めようとしてやっていたこと”だ。
部活に没頭して、想いを断ち切ろうとしてた。
そんな経緯があるから、高校で引き続き部活をやろうという気にはなれないんだよな…。
「そっか……。眞紘くんがバスケしてる姿、見たかったな。」
「見るほどのもんでもねぇよ。俺より上手い奴なんて、たくさんいたし。」
「それでも、見てみたいよ…。眞紘くんのドリブルとかシュートとか、カッコいいんだろうな…。」
ニコリと笑う花奏に胸が高鳴った。