密星-mitsuboshi-
「とりあえず、
渡瀬さんに電話して今どこか聞い
てみます
里緒さんはみんなのところに戻っ
ててください」
腕をつかんでいる里緒の手をそっと外し、廊下のドアを開けた
「…わかった」
里緒がキッチンに入ったのを見届けると、林田は渡瀬の番号に電話をかけた
すると玄関を入ってすぐ左にあるドアの中から微かに着信音が聞こえ始めた
(あれ?)
そっとそのドアを開けると、そこは寝室だった
ダブルベッドが中央奥に置いてある以外は何もない
薄暗い部屋の中、ベッドの上でぼんやり光っているものがあった
無造作に置かれていたスマホの画面には林田の名前が表示されていた
「渡瀬さん携帯置いてったのか
しょうがない。
ちょっと外出てみるか」
林田はそれをポケットにしまい、そのまま家を出た
しばらく近所を歩いていると公園のベンチに渡瀬が座って煙草に火をつけているところが目に入った
「渡瀬さん」
近くに寄って声をかけると、渡瀬は林田の姿をちらっと見ると視線を戻した
その足元には消し潰された煙草の吸殻がいくつか散らばっていた
「どうした?
お前も煙草買いに来たの?」
「遅いから探しに来たんですよ~。
俺も一服いいですか?」
林田の言葉に、渡瀬は黙って横にずれて席を空けた
渡瀬の隣に座り煙草をくわえると、ライターが見つからず
ポケットを探っていると
「お前、里緒のおつかいだろ?」
そう言って渡瀬は林田の目の前にライターを差し出した
「里緒さんに言われたからじゃなく
俺自身が気になって」
「そりゃ悪かったな。
これ吸い終わったら戻るよ」
「あ、これ。
置きっぱなしでしたよ」
林田は持ってきたスマホを渡瀬に見せた
「あぁ悪い」
「どこにいるのか電話かけたら
寝室から着信聞こえてきて
忘れたんだと思って一応持って
きました」
「寝室?」
「はい。
ベッドの上に置いてありましたよ」
林田の言うスマホのあった場所に少しの違和感を感じた
だがすぐに思い過ごしだと思い直し渡されたスマホをポケットに入れた
「…でも本当に渡瀬さん
何かあったんですか?」
「なんで?」
「いや、なんか今日はいつもと
違うってゆうか」
「…そうか?」
渡瀬は変わらずに空を見上げている
そんな渡瀬を横目に林田は、少しためらいながらも意を決した
「……あの、渡瀬さん
今、他に女います?」
「…は?」
唐突な質問に思わず、空を見ていた渡瀬の目が林田にうつる
「…いや、すいません。
なんとなく」
「…里緒に探ってこいとでも
言われたか?」
「…。
里緒さん、心配してました。
渡瀬さんの様子がおかしいって」
「…」
渡瀬は大きく溜息をついた
「巻き込んで悪かったかな。
気にしなくていい。
何もないよ」
渡瀬は煙草を足で踏み消した
「…渡瀬さんがそう言うなら
俺は信じますけど…
でももしそうゆう女がいるなら
里緒さんとのことは
よく考えてください。
お節介かもしれませんけど…
俺は渡瀬さんの下で仕事したいです」
「…大丈夫だよ
俺もお前と仕事したい
林田。ありがとな」
渡瀬は立ち上がると林田に向けて笑った
いつものように口元だけではなく
嬉しそうな笑顔だった
だが林田にはその笑顔が一瞬だけ切なく映った気がした
渡瀬と林田が家に戻ると、里緒が出迎えた
「おかえり
2人とも遅かったね」
「あぁ。
ちょっと話が長くなった」
渡瀬は里緒の顔を見ることなくそう言うとリビングへ戻った
その後ろ姿を見送ると、あとから入ってきた林田を止めた
「何か話した?」
「はい」
「何か言ってた?」
林田は、強気だが不安に揺れる里緒の目をしっかりとみた
「里緒さん、
渡瀬さんは大丈夫です
男同士って話をすれば他に女が
いるかなんてすぐわかります
そんな感じはしなかった
…それにそんなことすればどうなる
かくらい渡瀬さんも分かってま
すよ
だから安心してください」
「…そう。
そうなの…
わかった、ありがとう」
信頼する渡瀬が大丈夫だと言うのであれば、きっと大丈夫なのだろう。
林田は渡瀬のを信じることにした
林田の目に嘘は見えない
里緒の不安が完全に取り除かれたわけではなかったが、落ち着きを取り戻すにはそれで十分だった
渡瀬さんに電話して今どこか聞い
てみます
里緒さんはみんなのところに戻っ
ててください」
腕をつかんでいる里緒の手をそっと外し、廊下のドアを開けた
「…わかった」
里緒がキッチンに入ったのを見届けると、林田は渡瀬の番号に電話をかけた
すると玄関を入ってすぐ左にあるドアの中から微かに着信音が聞こえ始めた
(あれ?)
そっとそのドアを開けると、そこは寝室だった
ダブルベッドが中央奥に置いてある以外は何もない
薄暗い部屋の中、ベッドの上でぼんやり光っているものがあった
無造作に置かれていたスマホの画面には林田の名前が表示されていた
「渡瀬さん携帯置いてったのか
しょうがない。
ちょっと外出てみるか」
林田はそれをポケットにしまい、そのまま家を出た
しばらく近所を歩いていると公園のベンチに渡瀬が座って煙草に火をつけているところが目に入った
「渡瀬さん」
近くに寄って声をかけると、渡瀬は林田の姿をちらっと見ると視線を戻した
その足元には消し潰された煙草の吸殻がいくつか散らばっていた
「どうした?
お前も煙草買いに来たの?」
「遅いから探しに来たんですよ~。
俺も一服いいですか?」
林田の言葉に、渡瀬は黙って横にずれて席を空けた
渡瀬の隣に座り煙草をくわえると、ライターが見つからず
ポケットを探っていると
「お前、里緒のおつかいだろ?」
そう言って渡瀬は林田の目の前にライターを差し出した
「里緒さんに言われたからじゃなく
俺自身が気になって」
「そりゃ悪かったな。
これ吸い終わったら戻るよ」
「あ、これ。
置きっぱなしでしたよ」
林田は持ってきたスマホを渡瀬に見せた
「あぁ悪い」
「どこにいるのか電話かけたら
寝室から着信聞こえてきて
忘れたんだと思って一応持って
きました」
「寝室?」
「はい。
ベッドの上に置いてありましたよ」
林田の言うスマホのあった場所に少しの違和感を感じた
だがすぐに思い過ごしだと思い直し渡されたスマホをポケットに入れた
「…でも本当に渡瀬さん
何かあったんですか?」
「なんで?」
「いや、なんか今日はいつもと
違うってゆうか」
「…そうか?」
渡瀬は変わらずに空を見上げている
そんな渡瀬を横目に林田は、少しためらいながらも意を決した
「……あの、渡瀬さん
今、他に女います?」
「…は?」
唐突な質問に思わず、空を見ていた渡瀬の目が林田にうつる
「…いや、すいません。
なんとなく」
「…里緒に探ってこいとでも
言われたか?」
「…。
里緒さん、心配してました。
渡瀬さんの様子がおかしいって」
「…」
渡瀬は大きく溜息をついた
「巻き込んで悪かったかな。
気にしなくていい。
何もないよ」
渡瀬は煙草を足で踏み消した
「…渡瀬さんがそう言うなら
俺は信じますけど…
でももしそうゆう女がいるなら
里緒さんとのことは
よく考えてください。
お節介かもしれませんけど…
俺は渡瀬さんの下で仕事したいです」
「…大丈夫だよ
俺もお前と仕事したい
林田。ありがとな」
渡瀬は立ち上がると林田に向けて笑った
いつものように口元だけではなく
嬉しそうな笑顔だった
だが林田にはその笑顔が一瞬だけ切なく映った気がした
渡瀬と林田が家に戻ると、里緒が出迎えた
「おかえり
2人とも遅かったね」
「あぁ。
ちょっと話が長くなった」
渡瀬は里緒の顔を見ることなくそう言うとリビングへ戻った
その後ろ姿を見送ると、あとから入ってきた林田を止めた
「何か話した?」
「はい」
「何か言ってた?」
林田は、強気だが不安に揺れる里緒の目をしっかりとみた
「里緒さん、
渡瀬さんは大丈夫です
男同士って話をすれば他に女が
いるかなんてすぐわかります
そんな感じはしなかった
…それにそんなことすればどうなる
かくらい渡瀬さんも分かってま
すよ
だから安心してください」
「…そう。
そうなの…
わかった、ありがとう」
信頼する渡瀬が大丈夫だと言うのであれば、きっと大丈夫なのだろう。
林田は渡瀬のを信じることにした
林田の目に嘘は見えない
里緒の不安が完全に取り除かれたわけではなかったが、落ち着きを取り戻すにはそれで十分だった