ラグタイム2号店
「よく撮れているだろ?

あっくんとしずちゃんの初めての月明祭を撮ったんだ」

喜多さんは得意そうに笑って、人差し指で鼻の下をこすった。

「2人の初々しい感じがすごく伝わってきます」

夏代さんは雑誌と俺たちを見比べた。

喜多さんが最優秀賞を受賞した写真は、俺と静絵の写真だった。

右手に提灯を持って、寄りそうように歩いているその写真は月明祭の時だと嫌でも知らされた。

「よかったなー。

喜多さんに写真を撮ってもらえて、そのうえ受賞までして」

安藤さんがポンと俺の肩をたたいた。

「そ、そうですね…なあ」

俺は返事をすると、静絵に同意を求めた。

「おめでとうございます、喜多さん」

どうにか笑顔を作りながら、静絵は喜多さんにお礼を言った。
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