すべてが思い出になる前に
そんなこんなで目を離しているうちに、翼はいろんな部屋の扉を開けたり閉めたりしていた。
「あちこち開けんなよ」
「開けて悪いのがあるのか?」
「いや、無いけどさ」
寝室を開けた翼は、黙って中へ入っていった。
「照史見ろよ、本ばっかり」
部屋の中は、薬学や医学の参考書や教科書で本棚がギッシリ収納されている。
「涼太、前遊びに来た時より本が増えた気がする」
「そうか?まぁ、ちょっとは増えたかもな」
「相変わらず勉強ばっかりかよ、つまんねー」
「人の部屋勝手に入って愚痴ばっかりだな」
照史は本棚から難しそうな教科書を手に取り、すぐに本棚に戻した。
涼太は部屋を出てキッチンへ向かい、冷蔵庫からビールを2つ取り出して、テーブルに置いた。