すべてが思い出になる前に
コーヒーカップをテーブルに置いて、友理奈は真っ直ぐな目で涼太を見つめた。
「テニスは続けてないの?」
思わずふっと笑った涼太に対して、友理奈は首を傾けていた。
そうだよな、友理奈は何も知らないもんな…。
「翼が通う大学のテニスサークルに入ってダブルスで一度だけ優勝したよ」
「えっ凄いじゃん‼︎それでそれで?」
ここから先の話をするかどうか悩んだが、少し表情を曇らせながら涼太は話を続けた。
「高校の頃に肩を壊してただろ?選手生命を失う1歩手前まで追い込まれて、幸い復帰できたけど。大学3回生の時に疲労がたたり入院したんだ」
「入院…」