すべてが思い出になる前に
「ありがとうございました〜」
店員の大きな声が外まで響いた。お店を後にした途端、元倉は自分のお腹を手でさすった。
「お腹いっぱいでもう食べれない…」
「もつ鍋、殆ど1人で食べるからだよ」
友理奈はクスッと笑うと、元倉は真剣な面持ちで話し始める。
「友理奈さんには幸せになってほしいんです。今の彼とは切れたと思って、新しい恋をしましょ‼︎」
元倉は元気付けで言ってくれてるのは分かっても、まだ立ち直れずにいた友理奈は「うん」と言葉少なく答えた。
元倉と別れた後、1人になった友理奈は手提げカバンから携帯を取り出してホーム画面に映る結婚式の写真を見つめた。