すべてが思い出になる前に
玄関を開けた瞬間、部屋は真っ暗で電気を付けて中へ入って行く涼太の後ろをついて行く友理奈。
リビングを一通り見渡した友理奈は、思わず涼太に言った。
「意外と綺麗にしてるんだね」
「意外ってなんだよ」
「いや、実家の涼太の部屋は漫画だらけだったからさ」
「まぁ確かにな、漫画ならちょっとしか持って来てないんだ。なるべくシンプルな部屋にしたくてさ、荷物は適当に置いて座ってて」
涼太はリュックをソファに置いて、キッチンへ向かった。
「何か手伝おうか?」
「ううん、大丈夫。簡単に冷蔵庫にあるものでつまみでも作るからさ」
そう言って涼太は冷蔵庫を開けて中を物色し始めた。