すべてが思い出になる前に
側で見ていた同級生が顔を合わせてコソコソ話し始める。
「アメリカ帰りの翼が相手で大丈夫なのか?」
そんな同級生達を他所に、涼太は口角を上げてニヤリと笑っていた。
「すげーな、翼‼︎上手くなっててビックリした。俺はこの日をずっと待ってたんだ」
やけに嬉しそうな涼太に、翼は腰に手を当てて「俺もだよ」と笑う。
そんな2人の様子をフェンス越しから見ていた友理奈は、気が気ではなかった。
涼太と翼はラリーが続く中で必死にボールを打ち返しながら、徐々に翼のプレースタイルを以前と今とで比較し始めた。