すべてが思い出になる前に






社長から言われた言葉が涼太の頭を過ぎる。



「アメリカ支部で薬剤師としての高い能力と専門性、語学力の知識などが活かせると思う。そこで君に共同プロジェクトに参加してもらいたい。10月まであと3ヶ月ほど余裕があるから準備をしてくれ」



社長直々に辞令を受けた涼太は、頭が真っ白になった。



* * *



その時の涼太と同じで、友理奈もまさかの予期せぬ出来事に戸惑いを隠せずにいた。



「…戻ってくるんだよね?」



涼太は静かに首を振った。



「一度海外に転勤したら、次いつ日本に戻って来れるか分からない。それは…1年後かもしれないし、2年後かもしれない」



友理奈は涼太の話しを聞きながら、うんうんと頷いていた。








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