すべてが思い出になる前に
「ダブルスなら誰と組むんですか?」
ずっと涼太の目を見て話していた顧問の視線が移り、視線の先を追い後ろを振り向くと職員室の扉の窓から中を覗いて様子を伺っている翼に気付いた。
「宮﨑、そこにいる犬養を連れてこい」
顧問の言う通りに職員室のドアをガラガラと開け、窓から覗いていた翼に中に入れと声を掛けた。
「翼、先生が呼んでるぞ」
「まぢかよ…」
顧問の前に涼太と翼が並ぶと、顧問の両手が2人の肩にトンと置いた。
「今日から宮﨑はダブルスに転向で、犬養とダブルスのペアだ」
涼太と翼は顔を見合わせ、「えっ?」と声を揃えた。