すべてが思い出になる前に
「先生、本気で言ってるんですか?」
「あぁ、2人で猛特訓だ‼︎あと部員から話があるみたいだぞ」
「いや、待ってください‼︎」
顧問はそう言って職員室を出て行き、残された2人は開いた口が塞がらなかった。
「何がなんだささっぱり分からない」
「…」
2人してパニックになりながら職員室を後にした。
寒い廊下をポケットに手を突っ込みながら歩いていると、同級生のテニス部員が2人を見つけて駆け寄って来た。
「宮﨑ちょっといいか?」
「あぁ…」
階段前の踊り場で立ち止まり、真剣な面持ちの部員ばかりを目の前に、涼太は隣にいた翼にチラッと視線を移す。