すべてが思い出になる前に




教室へ真っ直ぐ帰ろうとした瞬間、翼に背後から肩を掴まれた。



「まぁそういうことだから‼︎せっかくダブルスのペアになったんだから、ひと暴れして優勝しようぜ‼︎」


「ひと暴れってなんだよ⁉︎」



ハハハと笑う涼太と翼は力強くグータッチをした。



この日を栄えに2人は怒涛の快進撃を見せる。


年が明け桜が咲き誇る4月。最終学年の3年生になった涼太と翼は、いくつもの試合に出場してベスト4や準優勝を飾り、地元では一躍有名になった。



新聞にも記載されたことを知った友理奈は、記載された部分をハサミで切ってノートに貼る習慣が付いた。


幼馴染が大怪我から復帰してこれまで以上の活躍に誰しもが驚いた。





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