リナリア
「彩羽さん。」
「ん?」
「やりましょう!」
「ちーちゃんならそう言ってくれると思ってましたぁ!」
「えっ、えっ!?」
困惑する名桜をよそに、知春と彩羽は楽しそうだ。彩羽が名桜の右腕を引く。そして名桜の背中を知春が軽くポンと押した。
「知春さん!?」
「俺も高校生らしく放課後のショッピングみたいなの、楽しもうと思って。」
「だからそれは彩羽さんにした方が…。」
「ぜーったいなっちゃん!ね!」
ぐいぐいと引っ張られた先は、比較的カジュアルな服が並ぶ店舗だった。
「ん-何がいいかなぁ。なっちゃん、普段はスカート?それともパンツスタイル?」
「仕事の日はスカートを履きませんが…私服はスカートが多いかもしれません。」
「じゃあ持ってるような感じのものは言ってね!んー…なっちゃんに似合う色は…。似合うっていうか、なっちゃんに着てほしいもの…。」
彩羽は名桜を置いて、服の物色を始める。名桜は知春の方を向いた。
「知春さん!」
「ん?」
「なんで私なんですか!彩羽さんの方が着せ替える相手として適任なのに…。」
「そうかな?俺は彩羽さんより、名桜に着てほしいものの方がポンポン浮かびそうだったから、名桜がいいなって思ったんだ。ほら、これも可愛い。」
知春が手に取ったのはチェックのスカートだった。
「夏、向日葵を見に行った時はワンピースだったよね。」
「そうですね。あれは母のワンピースなんです。」
「そうだったんだ。」
「母の持っていた服って多くはないんですけど、多分質の良い物ばかりだったと思うんです。だから今でも着れます。」
「…だから私服は、スカートが多いって言ったの?」
「はい。ようやく身長も母に追いついて、着れるようになったので。」
「そっか。」
知春は手にしていたスカートを戻す。そしてくるりと名桜の方を向いた。
「じゃあスカートじゃないものを探してみるね。」
「え?」
「スカートはお母さんの素敵なものがあるから、それの邪魔はできないよ。でもできれば使ってほしいから、うーん…そうだな。これからの季節に使えそうなもの、探してみる。」
「あっ、知春さん!」
そう言って知春は名桜に背を向けて真剣な眼差しで探し出す。すると今度は彩羽が戻ってきた。
「ん?」
「やりましょう!」
「ちーちゃんならそう言ってくれると思ってましたぁ!」
「えっ、えっ!?」
困惑する名桜をよそに、知春と彩羽は楽しそうだ。彩羽が名桜の右腕を引く。そして名桜の背中を知春が軽くポンと押した。
「知春さん!?」
「俺も高校生らしく放課後のショッピングみたいなの、楽しもうと思って。」
「だからそれは彩羽さんにした方が…。」
「ぜーったいなっちゃん!ね!」
ぐいぐいと引っ張られた先は、比較的カジュアルな服が並ぶ店舗だった。
「ん-何がいいかなぁ。なっちゃん、普段はスカート?それともパンツスタイル?」
「仕事の日はスカートを履きませんが…私服はスカートが多いかもしれません。」
「じゃあ持ってるような感じのものは言ってね!んー…なっちゃんに似合う色は…。似合うっていうか、なっちゃんに着てほしいもの…。」
彩羽は名桜を置いて、服の物色を始める。名桜は知春の方を向いた。
「知春さん!」
「ん?」
「なんで私なんですか!彩羽さんの方が着せ替える相手として適任なのに…。」
「そうかな?俺は彩羽さんより、名桜に着てほしいものの方がポンポン浮かびそうだったから、名桜がいいなって思ったんだ。ほら、これも可愛い。」
知春が手に取ったのはチェックのスカートだった。
「夏、向日葵を見に行った時はワンピースだったよね。」
「そうですね。あれは母のワンピースなんです。」
「そうだったんだ。」
「母の持っていた服って多くはないんですけど、多分質の良い物ばかりだったと思うんです。だから今でも着れます。」
「…だから私服は、スカートが多いって言ったの?」
「はい。ようやく身長も母に追いついて、着れるようになったので。」
「そっか。」
知春は手にしていたスカートを戻す。そしてくるりと名桜の方を向いた。
「じゃあスカートじゃないものを探してみるね。」
「え?」
「スカートはお母さんの素敵なものがあるから、それの邪魔はできないよ。でもできれば使ってほしいから、うーん…そうだな。これからの季節に使えそうなもの、探してみる。」
「あっ、知春さん!」
そう言って知春は名桜に背を向けて真剣な眼差しで探し出す。すると今度は彩羽が戻ってきた。